ITエンジニア本大賞2025の特別賞を受賞した世界一流エンジニアの思考法を読んだのでピックアップした内容や感想をシェアします!
本記事で全体像を掴んでいただいたあとに、実際に本を読むことで解像度があがると思います。そんな取っ掛かりとして本記事をご利用ください。
Contents
本の概要
書籍名:世界一流エンジニアの思考法
著者:牛尾 剛(米マイクロソフトAzure Functionsプロダクトチーム シニアソフトウェアエンジニア)
発行部数:10万部以上
自称三流エンジニアの牛尾さんが44歳でマイクロソフトに入社し、そこで出会った一流エンジニアの方から得たことを綴っています。マイクロソフトに入社できている時点で一流では・・・?と思いましたが、書いている内容は非常に納得感があり、私でも実践できそうな内容が盛りだくさんでした。
本の内容をピックアップ
世界一流エンジニアでも理解には時間がかかる
正確に言うと「理解に時間をかけている」のです。
マイクロソフトで開発しているアーキテクチャは非常に複雑で、マイクロサービスごとに内部用のビデオが用意されています。著者の牛尾さんと周りの世界一流エンジニアとの間には、以下のような違いがあるそうです。
・牛尾さん:ビデオを1回見たらすぐに手を動かして少しずつ理解を深める
・世界一流エンジニア:10回以上見てじっくり理解していく
つまり、「すぐに手を動かす」か「時間をかけて基礎を積み重ねる」かの違いです。
理解が不十分なまま手を動かして努力しても効率が悪く、あいまいな試行錯誤は頭に残りにくいものです。むしろ「本質的な理解」を深めることが重要だということです。
私も牛尾さんと同じように「まずは手を動かす」ことが大切だと考えていたので、目から鱗が落ちる思いでした。
2.「Be Laze」怠惰であれ
「Be Laze」とは、端的に言うと、より少ない時間で最大の価値を生み出す考え方です。
本書の例が非常にわかりやすく説明していました。
例:5つのタスクがあるときの進め方
・一般的な日本人:タスクに優先順位をつけて、優先度の高いものから順に着手する。
・世界一流エンジニア:最も重要なタスク1つにフォーカスし、他のタスクは実施しない
私のような一般的な日本人の感覚からすると、かなり勇気のいる選択だと感じるでしょう。
世界一流エンジニアは「2-8の法則」に基づいて考えます。つまり、20%の仕事で80%の価値を生み出せるなら、その20%に集中すべきということです。そして80%の価値を達成したら、次の新しい取り組みの20%に移るのです。
この方法により、全てのタスクに100%の時間を費やすよりも、40%の工数で160%の価値を生み出すことが可能になります。
3.マルチタスクはやらない
マルチタスクは完全に有害であり、誰にとっても生産性を下げることが分かっています。
実際に、ワシントン大学の研究結果によると、「生産性が40%低下」「仕事を終えるまでにかかる時間が50%増加」「ミスの発生率が50%増加」することが明らかになっています。
完全に同意します。私も、良くないと分かっていながらマルチタスクをしてしまうことが多いです。
では、世界一流エンジニアはどのように対処しているのでしょうか。
彼らは「今、手を付けている仕事を一つに限定する」ことを徹底しているそうです。
これを「WIP=1」と呼ぶそうですが、とてもシンプルな考え方ですよね。
例えば、ブラウザのタブは、そのタスクが終わったら閉じることで気が散らないようにするのです。シンプルな方法ですが、徹底すると効果は絶大だと考えられます。
4.サーバントリーダーシップ
「サーバントリーダーシップ」は、海外で主流となっている先進的なマネジメントスタイルです。
一方、従来型のリーダーシップは「コマンドアンドコントロール」と呼ばれます。
この2つのスタイルには、以下のような特徴があります
コマンドアンドコントロール:リーダーが部下に指示を出し、状況を把握・確認しながら管理を行う
サーバントリーダーシップ:リーダーがビジョンとKPIを示し、チームが主体的に実行方法を考えて意思決定を行う
この違いを見れば、どちらのスタイルが部下の成長を促すかは明らかです。
日本企業ではいまだにコマンドアンドコントロールが主流ですが、外資系企業では現場のメンバーに大きな権限が与えられ、各自が実行方法を考える文化が定着しています。
著者の牛尾さんは、アメリカの職場で働く中で、日本企業での経験を振り返り、いかに管理的な扱いを受けていたかを実感したそうです。
感想
今回の記事では「世界一流エンジニア」に書かれていた内容を4つピックアップさせていただきました。本書には、このような内容があと10倍ほどは書かれていると思ってください。笑
今回ピックアップした内容が、私個人としては心に残った内容であり重要なことだと考えています。
また、「世界一流」と言われると、とんでもなく優秀な人たちをイメージしますが(紛れもなく優秀ですが)、私のような一般人でもマネできることはたくさんあることに気づきました。
学ぶの語源が「真似ぶ」であるように、世界一流を真似て少しでも優秀な人材になるように頑張っていきます!
今回の記事が少しでも参考になると嬉しいです!ではまた次回の更新をお楽しみに!!